2022/09/28 20:00
From:イリーナ
“とざしていた鎧戸をあげると、
海風がはいってきて、
チャグムの髪をゆらし、
衣をふくらませて、汗ばんだ肌を、
すっと涼しくしてくれた。
夜になってもかなりの暑さだったが、
それでも夜風はひんやりとして
潮の香りでチャグムをつつんだ。
館のあいだから闇色の海が見える。
月の光が、さざ波を銀色に光らせていた。 ”
「言葉の表現に癒されよう」!
最終週になる今回は、
物語の世界を想像して
癒されましょう!
「あれ、空白多くない?」
そう思ったあなた、
冒頭の引用文
なんとなく流し読み
していませんでしたか?笑
しっかり読んで想像されて
いたらすみません!!
(しっかり読みされてた
あなたへはお詫びに
投げキッスしときますね…
ちゅっちゅ!)
私達は日常のほとんどを
「なんとなく流し読み」
しています。
世の中にはさまざまな
情報が溢れていますからね。
そこで今回はあえて
言葉をひとつひとつ
丁寧に追ってみて、
じっくり南国の風を
想像してみましょう!
最初に流し読みした時より
もっと異国の風を感じられて
毎日がんばるあなたの
気分転換になれたら嬉しいです。
それでは物語に戻りましょう。
“とざしていた鎧戸をあげると、”
鎧戸(よろいど)は木製の戸です。
ブラインドのように細い板が
重なって、視界をさえぎるけれど
通気性のある戸ですね。
いかにも南国のお部屋です。
それを上げた様子を
思い浮かべてください。
ぐぐーって。
“海風がはいってきて、”
上げた戸から海の風が
入ってきました。
海風はどんな風でしょう?
どんな香りがして、
どれくらい吹く風でしょうか。
“チャグムの髪をゆらし、”
チャグムは登場人物の少年です。
風の描写が出てきましたね。
戸を上げたことで
通り道のできた風が
彼の髪を揺らします。
風はどんな音で揺らすでしょう?
ゆらゆら?はたはた?
ひゅうっと揺らしていくのかも。
“衣をふくらませて、汗ばんだ肌を、
すっと涼しくしてくれた。 ”
海風は髪だけでなく
服や肌へも吹いています。
風で服がふくらんだこと
あなたもありますよね。
登場人物の感覚で
髪を、頬を、服を、汗ばんだ肌を
すっ…と涼しくする海の風を
想像してみてください。
“夜になってもかなりの暑さだったが、
それでも夜風はひんやりとして”
蒸し暑いからこそ
感じられるひんやりさって
ありますよね。
昼間の熱気とは違う、けれど
涼しい気候とも違う。
夏の夜にそんな風を感じたこと
あなたもありませんでしたか?
“潮の香りでチャグムをつつんだ。 ”
香りの表現が出てきました。
暑い中のひんやりとした
潮の香りの夜風が
髪を服を吹き抜けて、
そんな風に包まれています。
“館のあいだから闇色の海が見える。
月の光が、さざ波を銀色に光らせていた。 ”
海はすぐ向こうにあったんですね。
だから潮の香りも届いた
のでしょう。
闇色、どんな色を想像しますか?
深く暗い黒に近いブルーでしょうか。
そのさざ波が月の光で
今度は銀色に光っています。
闇色の海に銀色のさざ波。
ここは南国ですから、昼間は
色とりどりの花が咲きほこり
人々も開放的な雰囲気です。
それが夜になって、
闇色と銀色の世界。
最後に引用の全文を
通して読んでみましょう。
“とざしていた鎧戸をあげると、
海風がはいってきて、
チャグムの髪をゆらし、
衣をふくらませて、汗ばんだ肌を、
すっと涼しくしてくれた。
夜になってもかなりの暑さだったが、
それでも夜風はひんやりとして
潮の香りでチャグムをつつんだ。
館のあいだから闇色の海が見える。
月の光が、さざ波を銀色に光らせていた。 ”
どうでしたか?
最初にサラッと読んだ時より
なんとなく物語があなたの
感覚に近づいたんじゃ
ないでしょうか。
一度に全部!は難しくても
ひとつひとつ言葉を追うことで
あなたの感覚と言葉がリンクしていく
お手伝いになれていたら嬉しいです。
あ〜南国へ旅行に
行きたいなぁ!
もっと続きを感じたくなったら
『虚空の旅人』
著者:上橋菜穂子
出版社:株式会社偕成社
読んでみてくださいね。
自分らしく楽しむアートはこちら
【まとめ】
・物語の世界を想像して癒されよう
・ひとつひとつ言葉を追うと
言葉と感覚を近づける手助けに
・南国行きたくなる〜
【本日の問いかけ】
触り心地の好きなものって
ありますか?
やわらかでふわっふわのタオル
サラサラの砂浜を歩く足裏の感覚
ぷにぷにの肉球etc…
あなたの好きな感覚ひとつに集中して
もし大丈夫だったら、ちょっとの間だけ、
目を閉じて、感触を思い返してみませんか?
【次回】
「ごはんにする?お風呂にする?」
それとも…!?
うわぁドキドキしちゃいますね!
お楽しみに♪
それでは今日も1日
お疲れ様でございました!
お忙しい日々とは思いますが、
どうかご自身を労わってあげて
優しい夜をお過ごしくださいませ🌛
(もし良いなと思ったら、
紹介して応援してもらえると
とってもとっても有り難いです!)
HP
「メールエッセイってなに?」
********
atelier ShowKerとは?
テーマは「自分らしく楽しむ」
参加型ファンタジーアートのお店
読みはアトリエ ショーカー。
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ファンタジーアートは
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さぁ、あなたの物語をはじめてみませんか?
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イリーナ
atelier ShowKerの中の人
高校時代ヒーローショーで初バイト。
大学時代はタイの王立学校で
日本語教師ボランティアを経験し、
一流老舗ホテルで接客を学ぶ。
「もっと笑顔にしたい」
勉強や活動を続けた結果
体のキャパをオーバーさせてしまい
またコロナウィルスの影響もあって
現場に立てない状態に…。
しかしこのアクシデントが
副業として準備していた
ShowKerを始めるきっかけに。
幼い頃から親しんだ手芸と
10数年関わった舞台をミックスした
・お客さんが参加して成立する
・それぞれの楽しみ方ができる
・物語を感じられる
アート作りをスタートさせる。
自分らしく楽しんでる人の
笑顔がとにかく大好き!
もう理屈じゃないんだ!!
趣味はおしゃべりと勉強、
ニガテは休むこととボーリング。
たまに名前でミックス?って
聞かれますが、純ジャパです。
制作のウラ側と日常
開封動画作ったら幸せホームビデオになった